時計の外装研磨とは?仕上がりと形状への影響を確認する

修理・オーバーホールをやさしく読む

外装研磨は、表面を削るなどして傷や仕上げを整える作業です。布で汚れを拭くこととは違います。ケースの角、面、筋目、刻印へ影響する場合があります。

1. 外装研磨のポイント

鏡面と筋目が組み合わさる時計では、どこをどう仕上げるかを確認します。色の膜や金の層がある部品は、同じ方法で扱えない場合があります。深い傷を取るほど、形の変化が問題になることもあります。

外装研磨を理解するための図です。実際の形や表示は機種で異なります。
図1 外装研磨を理解するための図です。実際の形や表示は機種で異なります。

古い時計の元の姿を残したいなら、磨かない希望も含めて作業前に相談します。全ての傷を消せると考えず、対象範囲と仕上がりを確認しましょう。作業前後の写真を残すと、変化が分かりやすくなります。

外装研磨は、表面を削るなどして傷や仕上げを整える作業です。

2. 素材と表面の仕上げを分ける

ステンレスやチタンは素材の名前です。鏡のような光沢や、細い筋目などは、表面の仕上げを表します。同じ素材でも、仕上げによって光の反射や見た目が変わります。

素材と表面の仕上げを分ける。表示や外観を見て、型番に合う案内と照らします。
図2 素材と表面の仕上げを分ける。表示や外観を見て、型番に合う案内と照らします。

傷を減らすために磨くと、面の形や筋目まで変わる場合があります。汚れを拭く作業と、表面を削る研磨は分けて考えましょう。色の加工や刻印がある部分は、修理する前に範囲を確認します。

「もとの素材と仕上げ」を確認することがポイントです。

3. 元の部品と交換部品を分けて考える

時計は、修理や使い方の変化で、針、文字盤、ベルト、つまみなどが替わる場合があります。今見える部品がすべて購入時のままとは限りません。交換の有無を履歴で確認します。

元の部品と交換部品を分けて考える。代表的な時計を例に示した図です。
図3 元の部品と交換部品を分けて考える。代表的な時計を例に示した図です。

純正の交換部品、別の時期の部品、社外品では意味が違います。交換があったことだけで良し悪しを決めず、安全に使うためか、元の姿を残したいかを考えましょう。古い部品を残す希望は、修理前に相談して記録します。

「部品の由来と交換の目的」を確認することがポイントです。

4. 時計の記録を一か所へまとめる

型番、購入日、電池交換、修理、部品交換などの記録を、時計ごとにまとめます。書類に加え、作業前後の写真があると、いつどこが変わったかを確かめやすくなります。

時計の記録を一か所へまとめる。代表的な時計を例に示した図です。
図4 時計の記録を一か所へまとめる。代表的な時計を例に示した図です。

記録した日と、実際の作業日を区別して残します。分からない履歴を推測で埋める必要はありません。箱や説明書をしまう場所も控えておくと、修理や問い合わせ、時計を譲るときに探しやすくなります。

「型番と作業履歴」を確認することがポイントです。

5. 自分の時計で確かめよう

まず「もとの素材と仕上げ」、次に「部品の由来と交換の目的」、最後に「型番と作業履歴」を確認します。順番を決めると、似た情報を混ぜずに読みやすくなります。

確認する項目を、時計の型番と一緒にまとめます。番号は説明用の例です。
図5 確認する項目を、時計の型番と一緒にまとめます。番号は説明用の例です。

仕様に書かれていることと、実際に確かめたことを分けてメモします。分からない部分を推測で埋めず、型番に合う説明書やメーカーの案内を確認しましょう。記録があると、お店に相談するときにも役立ちます。

言葉の意味と、手元の時計の状態を合わせて見ます。

一度に全部覚える必要はありません。図と手元の時計を見比べ、分かったことを一つずつ記録してみましょう。

類似投稿