トゥールビヨンとは?機械式時計の複雑機構をやさしく知ろう

機械式時計をやさしく読む

トゥールビヨンは、テンプや脱進機などを入れた枠を回転させる複雑な機構です。時計の向きによる重力の影響を平均化しようとする工夫として生まれました。

1. トゥールビヨンのポイント

もともとは、縦向きで持ち歩くことの多い懐中時計の精度を考えた発明です。回転する枠の中でも、テンプはリズムを刻みます。枠の回転と、針が時刻を示す動きを分けて見ましょう。

トゥールビヨンを理解するための図です。実際の形や表示は機種で異なります。
図1 トゥールビヨンを理解するための図です。実際の形や表示は機種で異なります。

文字盤から動くテンプが見えるだけでは、トゥールビヨンとは決まりません。また、この機構があればほかの時計より必ず正確という意味でもありません。キャリバーと機構の説明を確認します。

トゥールビヨンは、テンプや脱進機などを入れた枠を回転させる複雑な機構です。

2. 小さなリズムで速さを整える

針が速く回りすぎると、時間が分からなくなります。機械式の時計には、小さなおもりと細いばねなどを使って、リズムをつくるしくみが入っています。

小さなリズムで速さを整える。表示や外観を見て、型番に合う案内と照らします。
図2 小さなリズムで速さを整える。表示や外観を見て、型番に合う案内と照らします。

この動きに合わせて、ゼンマイの力を少しずつ伝えます。温度や時計の置き方などで、リズムが少し変わることがあります。どのくらい時刻がずれるかは、時計の仕様で確かめます。

力を伝えるだけでなく、動く速さを整える仕事もあります。

3. 時計を動かすしくみのまとまり

時計の外側には、ケースやベルトがあります。その内側で働く部品のまとまりが、ムーブメントです。たくさんの小さな部品が協力して、時計を動かしています。

外側のケースの中に、時計を動かす部品が収まっています。
図3 外側のケースの中に、時計を動かす部品が収まっています。

時計の「心臓部」とたとえることもあります。ただし、一つの部品だけを指す言葉ではありません。力を伝える部品、速さを整える部品などが、組み合わされています。

ムーブメントは、時計の中で働くしくみのまとまりです。

4. 長さだけで時計の性能を決めない

長く動く時計は、腕から外して置く時間があるときに便利です。ただし、動ける時間と、時刻がどれくらいずれるかは別の情報です。長く動くほど必ず正確、という意味ではありません。

動く時間と時刻の精度は、別の項目で確認します。数値は説明用です。
図4 動く時間と時刻の精度は、別の項目で確認します。数値は説明用です。

毎日使うのか、休みの日だけ使うのかを考えてみましょう。巻き方や時刻合わせの手間まで合わせると、使い方に合うかを判断しやすくなります。数字の大小だけでなく、生活とのつながりを見ることが大切です。

動く時間、時刻の精度、使う頻度を分けて考えます。

5. 自分の時計で確かめよう

まず「小さなリズムで速さを整える」、次に「時計を動かすしくみのまとまり」、最後に「長さだけで時計の性能を決めない」を確認します。順番を決めると、似た情報を混ぜずに読みやすくなります。

確認する項目を、時計の型番と一緒にまとめます。番号は説明用の例です。
図5 確認する項目を、時計の型番と一緒にまとめます。番号は説明用の例です。

仕様に書かれていることと、実際に確かめたことを分けてメモします。分からない部分を推測で埋めず、型番に合う説明書やメーカーの案内を確認しましょう。記録があると、お店に相談するときにも役立ちます。

言葉の意味と、手元の時計の状態を合わせて見ます。

一度に全部覚える必要はありません。図と手元の時計を見比べ、分かったことを一つずつ記録してみましょう。

類似投稿